2022年に韓国で放送され、現在では日本でも配信されている韓国ドラマ「ブラインド」。盲目の目撃者、被告の裁判、そして連続殺人事件が複雑に絡み合うサスペンス作品です。本記事では、「ブラインド」の犯人のネタバレや実話というのは本当なのかを調査していきます。
『ブラインド』とはどんなドラマ?
「ブラインド」はサスペンス・ミステリードラマで、ジャンルはサスペンス・スリラーそして法廷ドラマの要素が絶妙に絡み合った作品です。
物語は、連続殺人事件を追う刑事と、その事件に巻き込まれる裁判の関係者たちの視点から展開され、「真犯人は誰なのか?」という謎が、視聴者を物語の終盤まで惹きつける構成となりました。
複数の登場人物がそれぞれ過去に抱える秘密とトラウマを持つという重厚な内容が特徴です。
『ブラインド』犯人ネタバレ!
本作は、衝撃のどんでん返しと複雑に絡み合う人間関係で人気を博したサスペンスということで、登場人物が全て犯人に見えるため、「犯人は一体誰!?」と視聴者を巧みに惑わせる展開が続きました。
ここでは、その犯人に対するネタバレについて調査していきますので、まだ視聴していない方は要注意です!
最初に疑われたのはリュ・ソンフン
物語の序文では、冷静沈着でミステリアスな判事であるリュ・ソンフン(ハ・ソクジン)が最も怪しい人物として描かれています。弟のリュ・ソンジュン(オク・テギョン)ですら、彼を疑い、兄弟間に深い亀裂が生じました。
ソンフンは過去に児童養護施設「希望の家」で育っており、その経験がトラウマとなり、現在の性格に影響を与えている様子も描かれています。この施設での過去の事件が、現在の連続殺人事件と密接に関係していることが徐々に明らかになっていきます。
真の犯人はユンジェ
物語の終盤でついに真犯人はチョン・ユンジェということが判明。ユンジェは「希望の家」で育った子供の一人で、過去に大人たちから深刻な虐待を受けており、チョン・インソン(パク・チビン)という名前に変えて生きていました。
別人として社会に潜伏し、復讐のために綿密な計画を立て、事件の裁判に関わった陪審員や関係者たちを次々に狙っていきます。つまり、犯行の動機は、過去の虐待に対する復讐であり、単なる快楽殺人とは異なる社会への怒りが根底にあったのです。
リュ兄弟と犯人の衝撃の関係性
さらに物語を複雑にしているのは、犯人であるユンジェとリュ兄弟の関係です。実はユンジェは、ソンフンと血の繋がった実の兄弟である可能性が示唆されており、ソンジュンは後から家族になった存在という衝撃的な事実も登場します。
ユンジェはソンフンに対しても特別な感情を抱いており、ただの復讐者ではなく「家族として守ってあげたかった」という歪んだ愛情を見せる場面も。この関係性が、事件にさらなる深みと悲哀を与えていると言えるでしょう。
犯人の目的は復讐だけではなかった
ユンジェの犯行の本質は、過去に虐待を受け、無力だった自分を見捨てた大人たちへの復讐ですが、実はそれだけではなく「事実を見ない社会」や「形だけの正義」を糾弾する意図もありました。
ユンジェは単に人を殺すことを目的としていたのではなく、偽りの正義に裁かれることなく逃げた者たちへの裁きを下すことを自ら使命と考えていたのです。この点がドラマのタイトル「ブラインド(盲目)」にも深く関わっており、「本当に目を閉じていたのは誰か?」というメッセージ性を浮かび上がらせています。
『ブラインド』は実話というのは本当!
本作は、児童虐待や司法の闇、復讐といった重たいテーマを扱い、リアルな描写が話題となり「実話なのでは?」と囁かれていました。結論を言えば、「ブラインド」はフィクションでありながら、実際の事件をモチーフにしています。
ここでは、どんな事件が絡んでいるのかを調査しました。
モチーフとされるのは「兄弟福祉院事件」
ストーリー背景として「兄弟福祉院事件」がモデルの一つではないかと言われています。この事件は、1975年から1987年にかけて韓国・釜山に存在した民間の養護施設「兄弟福祉院」で起きた大規模な人権侵害事件です。
政府の指導のもと、浮浪者や孤児などを「保護」と称して大量に収容し、強制労働や暴力、性的虐待などが日常的に行われていました。被害者は数百人にものぼり、韓国現代史上で最悪の福祉施設関連事件の一つとされています。
制作陣は明言していない
前述の事件がモチーフになっているのではというのは推測の段階で実際のところ、公式には明言されていません。しかし、韓国ドラマにおいては実際の事件を明示せずに社会問題を扱うという手法がよく使われます。
特に被害者が多く、傷が癒えきっていないような事件の場合、ドラマ内で名言することは避けられる傾向にあるため、暗黙のうちに事実を下敷きにして社会問題を提起するという構成になっていることが多いのです。
ドラマとの共通点
劇中では、「希望の家」という架空の児童養護施設で、子供たちが虐待や放置といった扱いを受けていたという設定が描かれています。
以下の点が実際の事件と似ている点です。
- 福祉施設内での虐待や死の隠蔽
- 施設関係者と社会の癒着や腐敗
- 被害者が成長後に社会の中に溶け込み、復讐を開始するストーリー
- 当時の制度や政府による不正な介入や黙認
これらの要素が重なっていることから実話ではないかという声が多くあがったと思われます。
フィクションだからこそ描けた「リアル」
「ブラインド」はあくまでフィクションの物語ですが、現実の社会問題を忠実に反映しており、特に以下の点でリアルを感じさせる要素があります。
- 裁判員裁判のもとで行われる不完全な司法
- 虐待を受けた子供が大人になっても傷を抱え続ける描写
- 被害者と加害者の線引きが曖昧で複雑な人間ドラマ
- 正義と復讐の間で揺れ動く心理的葛藤
上記のことは、実際の社会に存在する問題であり、視聴者に強い現実感を与えます。だからこそ実話なのでは?と思われるほどのインパクトがあったのでしょう。
最後に
『ブラインド』は、複雑な人間関係と衝撃の犯人像、社会問題を描いた重厚なサスペンスです。実話ではないものの、「兄弟福祉院事件」を思わせるリアルな描写が印象的。緻密な伏線と心理描写、真実に迫る展開は最後まで目が離せません。
フィクションながら現実と向き合う力を持つ本作は、サスペンス好きはもちろん、社会派ドラマを求める人にもおすすめできる作品です。