韓国ドラマ『命の値』あらすじや登場人物、ネット上の評価をご紹介|死のうとした彼女の価値は?

みなさんは、自分の命がいくらになるのか考えたことはありますか?

恋人にフラれて真浦(マポ)大橋から飛び降りようとしたチ・ジョンウンは、保険アドバイザーのユン・ジファンに助けられ、“命の値段”についての話を聞かされます。

死ねば1億ウォンという生命保険。その値段は高いのでしょうか。

何を基準につけられた”命の値“なのでしょう。

韓国の短編ドラマシリーズ『命の値』は、大きな命題を軽やかに物語っていくスリラーロマンスドラマです。

本作では、インディーズ映画のようなハンドメイド感溢れる作風を武器に新しい映像表現を模索する新進気鋭の若手監督ミン・アヨンを筆頭に、ドラマ『私は道で芸能人を拾った』で知られるチ・ホソンなど若手実力派俳優たちが活躍。

一晩で一気見できるお手頃さと、ライトな語り口に親近感を覚える視聴者は多いのではないでしょうか。

それでいながら、深淵なテーマが垣間見えてくる『命の値』は、韓国ドラマファン必見の一作です。

今回はそんな『命の値』のあらすじや登場人物をご紹介しつつ、実際に本作を見た筆者の感想をお伝えしていきたいと思います。さらに、ネット上での評価などもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ネタバレは極力避けてご紹介していきますので、まだこれから見ようかと悩んでいる方にも安心してご覧いただける記事となっております。

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『命の値』ってどれくらい長いの? 全部で何話くらい?

命の値の表紙画像

こちらのドラマは短編シリーズで、一話約7分ほどのエピソードから、全10話で構成されています。

一気見しようと思っても、たった1時間ちょっとで全話分見終わってしまう短さです。

映画一本見るより短く、お手頃なシリーズとしておすすめできる本作。この短さの中でも、1話ずつ見どころやクライマックスがしっかり盛り込まれているので、どんどん次が見たくなる構成になっております。

ぜひ試しに一話ご覧いただければ、その不思議な世界観に呑み込まれ、一気見してしまうことは間違いありません。

長い映画予告を見るつもりで、まずは1話をご覧になってみてください。

『命の値』あらすじ

保険アドバイザーのユン・ジファンは、純粋な恋愛を夢見ながら、生命保険の契約を取る平凡な日々を送っている。

その純粋さゆえに妄想癖があり、いずれ現れるだろう”運命の人”の似顔絵を手帳の余白に描いているのだった。

そんなある日、ユン・ジファンが顧客訪問で外回りから帰ってきた頃、眞浦(マポ)大橋というところで、女性が飛び降りようとしているのを発見する。

咄嗟の思いで荷物を投げ出し彼女の腕を掴むが、ユン・ジファンの仕事用ノートパソコンは川に落ち、その失態のせいで大事な契約が流れてしまう。

飛び降りようとした彼女からは、「どうして死なせてくれなかったのか」とユン・ジファンに怒鳴りつけられる。

飛び降りようとした女性の名前は、チ・ジョンウン。

チ・ジョンウンは、恋人のキム・ヨンホからプロポーズを受け、幸せな結婚生活を夢見ていた矢先、その恋人の浮気現場に遭遇してしまうのだった。

そのことを問い詰めたチ・ジョンウンは、恋人キム・ヨンホから暴力を受け、「そんなに文句があるなら、お前がもっと稼いでこい」と家から追い出されていた。

婚約は破棄され、家に帰ればキム・ヨンホから殺されると思い絶望したチ・ジョンウンは断腸の思いで自殺を覚悟したのだ。

そんな状況を聞き、放っておけばチ・ジョンウンは今度こそ死んでしまうと考えたユン・ジファン。

彼女を助けるための最終手段として、自らの職業を利用することにする。

「自分の業績を上げるために協力してほしい。つまり生命保険に加入すること。死んだら大金がユン・ジファンに入るという契約で。ただし、保険が適用されるまでの2年間は、僕があなたの面倒を見る。その後は命を絶っても構わない」という契約だ。

彼女がこの2年間の間に、死にたくなくなるはずだと見込んでのカラ契約だった。

チ・ジョンウンの死亡保険額は、「1億ウォン」。

この契約を受け入れたチ・ジョンウンは、ユン・ジファンの家に住み始める。

一風変わった2人の共同生活が始まり、2人は次第に惹かれあっていく。

“運命の人”と思える存在に、お互いが近づいていくのだった。

そんな中、チ・ジョンウンの元恋人キム・ヨンホが、保険金の契約を知って彼女を連れ去ってしまう…。

果たしてユン・ジファンとチ・ジョンウンはどうなってしまうのか?

2人が命の大切さと真の愛情に気がつくことはできるのだろうか?

“命”に値段をつけた恋人同士が、計り知れない人間の愛の奥深さに響き合う。

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死亡保険の相場って? 1億ウォンは高いのか?

本作で登場する契約の1億ウォンは果たしてどれほどの価値なのでしょうか?

死亡保険は、加入している契約内容や契約者が独身なのか家族がいるのかなど、さまざまな状況で価格は変動していきます。

今回のチ・ジョンウンの場合は、20代の独身女性なので、最低でも300万円~800万円ほど出されるはずです。

もし遺されたパートナーがいれば、800万円から1500万ほどが相場だそうです。(ちなみに家族がいたり、高齢の方になると2000万円~1億円ほどになります。)

韓国に置き換えても状況が大きく違うということはなさそうです。

それでは1億ウォンは日本円でいくらなのか。

本作が発表された2019年の相場で見て行くと、1ウォン=約0.09円になります。なので、1億ウォン=約900万円ほどになるようです。

相場と比べると少々割高な印象ですね。

契約金は全てユン・ジファンが支払われるという約束ですが、そもそもチ・ジョンウンを死なせないためのカラ契約です。

生命保険の契約金を他人が立て替えるのは違法行為ですが、そうまでして助けた彼女との共同生活はどうなっていくのでしょうか。

命に値段をつけるというドラマの始まり方が斬新で、視聴者は惹きつけられますね。

『命の値』登場人物一覧

ユン・ジファン(俳優:カン・チュンソン)

保険アドバイザー。

実績はトップで、週に2,3件の契約を取ってくるエリート。

純粋な恋愛を夢見ており、”運命の人”と出会う日を心待ちにしている。

その妄想癖は一級品で、空想上の”運命の人”の似顔絵を自らの手帳に書き込むほど。

同僚からは、この妄想癖がなければ、稼ぎもよくお人好しのいい夫になるタイプだと言われている。

しかし、昔の婚約者とは、彼の妄想癖のせいで何かトラブルがあったようで…。

チ・ジョンウン(俳優:ソ・ジョンヒ)

真浦(マポ)大橋から飛び降りようとしていた美少女。

ジファンに助けられた時はうつ症状が強く、夢遊病のように眠りながら歩き回っていた。

婚約した元恋人のキム・ヨンホが浮気したことを知り、彼にそのことを問い詰めると、逆ギレされて暴力を振るわれる。

さらに元恋人から金づるとしか思われていないことが発覚したことで、自殺を決意したのだった。

しかしユン・ジファンとの出会いが彼女の人生を大きく変えることになる。

キム・ヨンホ(俳優:チ・ホソン)

チ・ジョンウンの元恋人。ジムのパーソナルトレーナーを務める。

チ・ジョンウンに浮気がバレて、家を出ていかれたことを逆恨みし、彼女から慰謝料を搾り取ろうとしている。

DV癖があり、DV夫特有の「よく世話してあげたのに」というこじれた思想を持っている。

ハンサムで肉体も鍛え上げられていることもあり、女性からモテる。

キム・ヘス(俳優:イ・ハジン)

保険アドバイザー。ユン・ジファンの同僚。

ロサンゼルスに留学していた帰国子女で、優秀な人材だが、保険アドバイザーとしては微妙なところ。

月に5本も契約を取ってこれないと同僚から責められている。

自殺した姉がおり、そのことを気に病んでいる。

通っているジムで。キム・ヨンホと出会い、彼の家に入り浸るようになるのだが、

彼の家にチ・ジョンウンの写真があり嫉妬。

そのチ・ジョンウンがユン・ジファンと交際に発展しそうなのを見てとり、ユン・ジファンの背中を押すようになる。

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『命の値』を実際に見た筆者の感想

率直に感想から申し上げますと、まあまあといった印象でした。

7分のエピソード全10回という短さを考えると、あまり深く掘り下げることは難しい長さですが、そのせいもあってなのか終盤にかけてストーリー展開がやや雑になってしまった印象を受けました。

とはいえ、一風変わった雰囲気が作品全体を包み込んでおり、その随所に独特な世界観へと惹き込まれる魅力を感じます。

街の小さな映画館で単館上映されているインディーズ映画の雰囲気が漂っており、一定の層には深く刺さる作品だと言えるでしょう。

また、韓国の社会問題でもある家庭内暴力やうつ病による自殺問題など、社会テーマも背景に見えてくる本作。

そして“命の価値”という壮大なテーマを抱えながら、柔らかで微笑ましく見られるシーンが続くこのドラマは、韓国ドラマの持ち味を感じさせてくれます。

物語のほとんどを占めるのは、ユン・ジファンとチ・ジョンウン2人によるロマンスです。

心に傷を負ったチ・ジョンウンの心を解きほぐしながら、お互いがかけがえのない存在になっていく過程は微笑ましく見ていられます。

そして2人の関係性は1話ごとに刻々と変わっていき、最終話には予想外の結末が待っています。

本作の大どんでん返しに、視聴者も驚き楽しめるのではないでしょうか。

個人的には、ミン・アヨン監督の長編ドラマも見てみたいところです!

作風や世界観、設定のひねり方などはさすが韓国で注目を集める若手監督だというだけあって、魅力的な手腕が光ります。

日本で言うところの「世にも奇妙な物語」みたいな作風ですし、独特の映像表現を持ち味にしています。

しかし、一話7分という制約が、この監督にとって足かせになっている部分もあるのではないかと感じてしまいました。

きっと深く一人一人を描いたら、もっと説得力のある作品になったのではないかと期待してしまいます。

しかし、近い将来韓国ドラマ界を背負って立つ若手製作陣の活躍だと思いますので、ぜひ今のうちにご覧になってくださいね。

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『命の値』現代韓国を反映した社会的テーマ3選

主人公2人のロマンスにほっこりと心を癒されながら、水面下で動く元恋人たちの暗い影。

ロマンスとサスペンスのバランスが際立って、ストーリーは思わぬ方向へと展開されていきます。

しかし本作の魅力は、そんなストーリーの背後に隠された、現代韓国を風刺する社会問題です。

その中でもストーリーに大きく関わってくるポイントを三つご紹介いたしましょう。

今回ご紹介するのは以下の3点↓

  • 韓国人女性の自殺率は?
  • 貧富の格差
  • 痴話喧嘩や家庭内暴力

韓国人女性の自殺率は?

まず重大な社会問題となっているのは、自殺率です。

日本でも上昇傾向にある自殺は社会問題になっていますよね。

しかし韓国は日本と比べてもさらに深刻化しています。

世界でその総数を比べてみると、2017年に一度だけリトアニアに一位を奪われた以外は、2003年から常に1位をキープしています。

日本は第9位で、先進国としては最も多いのだそうですが、韓国と比べると少なく思えるほどです。

韓国では心中のサイトが流行ったことも話題となり、自殺が国内最大の社会問題となっています。

そんな中でも、男性の自殺率は4位や3位についてるのに対し、韓国人女性の自殺率は常に1位ということなのです。

では、なぜこれほど自殺が多いのでしょうか?

その理由は複合的なもので、容易に一つに絞ることはできませんが、急激な経済成長によって格差が生まれたことや、学歴至上主義など若者が生きづらい社会になっていることは事実なようです。

そして一番問題視されているのが、自殺が文化として容認されているところだそうです。

もちろん政府が推奨しているわけではありませんが、絶望したら自殺という考え方が古くから根付いているようなのです。

長い歴史で虐げられてきた韓国の深い闇が、この問題から伺えますね。

貧富の格差

貧富の格差については、露骨に作品の中に登場するわけではありませんが、やはり大前提として貧しいものに対する冷遇は、世界的に見てもトップクラスの国だと思います。

映画『パラサイト 半地下の家族』でも取り上げられていましたね。

本作では生命保険に加入する金額のことで触れられています。

職があり、エリート社員のユン・ジファンと、恋人から家を追い出されたチ・ジョンウンでは、死んだ時の死亡保険額が桁違いに違います。

チ・ジョンウンが”1億ウォン”なのに対し、ユン・ジファンは”5億ウォン”。

こういったところにも現代韓国の深い闇を感じさせています。

痴話喧嘩や家庭内暴力

韓国ドラマをよく見る人なら、もはや慣れっこだと思います。

痴話喧嘩がエスカレートし、殺し合いにまで発展するケースもざらに見ますよね。

なぜ韓国では痴話喧嘩が多いのでしょうか?

韓国には、日本の比ではないほど「男尊女卑」の文化が深く根付いています。

悪習と呼べるこの文化の中では、女性もある程度権威を示さなければ、すぐ男性に暴力を振るわれるという危機感があるそうです。

これはおそらく、先ほどの自殺律にも関係する習慣ですね。

『命の値』でも、痴話喧嘩のシーンがありますが、日本人の感覚でみるとあまりに男が酷すぎる描かれ方になっています。

日本人としては「酷すぎる」人として観ていましたが、韓国では普通にいるレベルなのかもしれません。

本作では、前半のほんわかしたムードから一転、後半ではその暴力シーンはエスカレートします。

もしそのようなシーンが苦手な方は、注意してご覧になった方がいいかもしれませんね。

『命の値』ネット上の評価をご紹介

ここからはネット上の評価をご紹介していきましょう。

ウェブ版のドラマとして公開されたこともあり、感想自体は少なかったのですが、総じて評価は良かったようです。

そもそも短編シリーズということもあり、みなさん軽い気持ちで見られるといった印象でした。

大きな「筋」で観れば面白い捉え方をしたドラマかなと☆3つぐらいの評価は出来ると思いますが、

一話も短くてかなり内容の繋がりを飛ばしてるみたいな。(amebaブログ “新生活「わたし」編”さんから)

ラストにかけての意外な展開や、物語の発想に惹かれている視聴者は多い様子でした。

お手頃に見れる良さがあるので、ぜひ一度ご覧になってみてください。

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まとめ

いかがだったでしょうか?

今回はwebドラマ『命の値』の魅力をご紹介して参りました。

軽く見られる作風の割に、重いテーマを抱えた本作は、ハマる人にはハマるニッチな作品かもしれません。

しかしシリーズを見終わってしまうと、どこか寂しい印象も覚えます。

ここで登場した若手俳優の方々がこれから売れていくと思うと、応援したくなりますね。

不思議な魅力を讃えた本作を、ぜひ見てみてください。

自分の“命の値”について考えてしまうでしょう。

最後までこの記事をご覧いただき、ありがとうございました。

命の値の表紙画像
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